古来より、人間は様々な「もの」を作ってきました。食器、衣服、家具など、はじめは「必要なもの」として作られたものが、文明が進化するとともに、人々は「より機能的なもの」「より便利なもの」「より魅力的なもの」を求めるようになりました。
年月を経て、私たちが現代の生活で使う道具には、先人の知恵や技術、それに形への美学が詰まっており、長く受け継がれた工芸品などを見ると、使い心地の良さだけではなく、「鑑賞の楽しさ」が伝わってくるものです。
一方、手作りの文化はいつの時代も衰えることはなく、自分で何かを作ることを喜びと感じる人が多くいます。近年では、パソコンやデジタルの工作機械を使ったものづくりを、個人でも楽しめる環境が整ってきました。
今回の展示では、伝統工芸・伝統技術の担い手、手芸や服飾雑貨のデザイナー、地方色豊かな民芸品研究家から、IoTエンジニアやミニチュア製作者などの姿を通して、人がものを作るエネルギーや情熱がどこから生まれてくるのか、作ったものを次世代にどう伝えていくかを紹介します。
令和6年3月、浦安市立中央図書館に、レーザーカッターや3Dプリンタ、UVプリンタのほか、アナログ工具などを備え、個人が気軽にものづくりを体験することができるファブスペースを開設しました。図書館の本に想像力を刺激され、「何かを作ってみたい」という方の助けになることを願っています。
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令和6年9月 蔵書構成検討委員会 人文科学分野