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化学賞

選考方法は物理学賞と同じ。
2017年までに日本出身の受賞者は7名。

福井謙一

「化学反応の過程について新しく提唱したそれぞれ独自の理論」により1981年受賞



白川英樹

「導電性ポリマー(導電性高分子)の発見と開発」により2000年受賞



画像:ブレークスル―の科学

ブレークスル―の科学

五島綾子/著 日経BP社 2007

戦後、石炭化学から石油化学に移り変わり、石油製品が大量に作られるようになった時代、中学生だった白川英樹はプラスチックに興味を持ち始めた。やがて大人になった彼は電気を通すプラスチック・ポリアセチレンのフィルム化に成功する。物質の持つ新しい顔―導電性高分子の研究が進むきっかけとなった発明について、日本での評価や、日本と欧米の研究体制の違いなどにも触れながら紹介している。

野依良治

「キラルな触媒を用いた不斉水素化反応という業績」により2001年受賞



画像:事実は真実の敵なり

事実は真実の敵なり

野依良治/著 日本経済新聞出版社 2011

日本経済新聞に1か月に渡って連載された「私の履歴書」をまとめたもの。幼少期の思い出から海外の研究者との触れ合いに多くを学んだ経験など、その当時の思いを語り掛ける。研究のみに明け暮れるのではなく、持ち前のリーダーシップを発揮して野球大会や飲み会なども謳歌していた学生時代の様子も描かれる。ノーベル賞受賞後の取材攻勢の激しさや、式典前後の慌ただしさも正直に描かれており興味深い。当時をしのばせる写真も豊富に収載。

田中耕一

「生体高分子の同定および構造分析のための方法の開発、特に生体高分子の質量分析法のための穏和な脱着イオン化法の開発」により2002年受賞



画像:生涯最高の失敗

生涯最高の失敗

田中耕一/著 朝日新聞社 2003

ノーベル化学賞を受賞した田中耕一本人による自伝である。43歳の若さでしかも現役サラリーマン初の受賞ということで大いに話題となった。本書ではノーベル賞受賞が決まった日のことや受賞することになった質量分析の研究過程などを詳しく説明している。この研究での会社からの特許報酬は11,000円しかもらえなかったそうである。ちなみに田中氏は今でも島津製作所に籍はあるとのことである。

下村脩

「緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見と開発」により2008年受賞



画像:光る生物の話

光る生物の話

下村脩/著 朝日新聞出版 2014

ノーベル賞受賞理由であるオワンクラゲから抽出した蛍光タンパク質だけでなく、ホタル、キノコなどの生物発光のメカニズムやその応用、研究の歴史などを比較的分かりやすく解説した入門書。生物発光の科学的研究のために、のべ85万匹のオワンクラゲを手網で収集するも、目的の物質を抽出するのが困難を極めた様子も描かれる。まったく興味がなかった化学の道で成功の理由を、下村は「科学の根元は興味と疑問と好奇心である」と語っている。

根岸英一・鈴木章

「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」により2010年受賞



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