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インフラ

画像:ダムマニア

ダムマニア

宮島 咲/著 オーム社 2011

全国に2,900か所近くある、ダムめぐりを楽しむファンの人々がいる。著者は巨大人工構造物としての美しさを写真に撮り始めたことからダムにはまり、今では「ダムマニア」として、講演やテレビ出演に忙しい。著者が撮影した各地のダムの写真も交え、初級編・中級編・上級編・ダムめぐりガイドから構成される。初級編にはダムの定義や目的、中級編ではダム用語や設備の説明、上級編は実際に行くにあたっての具体的な準備などが出ている。ダムと言っても千差万別、いろいろな形があり、興味深い。

画像:モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた!

モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた!

モリナガ・ヨウ/著、溝渕利明/監修 アスペクト 2010

普段ならテントや高いフェンスで囲われた中で決して見ることはできない工事現場。中ではいったいどんな工事が行われているのか、見てみたいと思う人も多いだろう。本書では、羽田空港D滑走路、首藤高大橋ジャンクション、JR高架工事など、よく知られている場所が造られた時の土木現場を見たままに、イラストで表されている。土木工学に詳しい監修者の解説で、さらに土木の面白さが伝わってくる。土木を支える人々の苦労も垣間見える一冊である。

画像:朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機

朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機

根本祐二/著 日本経済新聞出版社 2011

日本国内の橋りょうや道路、公共建築物、水道といった社会資本の多くは、1950年代から1980年代に急速に整備されてきた。21世紀を迎えた現在、これらのインフラは一斉に老朽化を迎えており、すでに一部では崩落などの重大な事故も発生している。しかし、人口減少化に直面する我が国にとって、限られた財源で増大する需要に対処するためには、効率的な施設更新を行うための施策が不可欠である。本書では、インフラの長寿命化、広域連携、余剰地の活用など公債や増税に依存しない対策を紹介している。

画像:錦帯橋架け替え全記録

錦帯橋架け替え全記録

井上和博/著 アップフロントブックス 2004

山口県岩国市にある日本3名橋のひとつ、錦帯橋。この橋が最初に架けられたのは江戸時代、1673年である。5連の木造アーチ橋は、美しいだけでなく頑丈で、流れの速い錦川で生活の橋として岩国の人々に守られてきた。2002年、老朽化した橋を架け替えるために、一人の棟梁のもとに大工たちが集まった。彼らは「世界一の橋を架ける」との誇りを胸に、江戸の匠の魂を現代に蘇らせ、3年にわたる工事を完成させた。本書は工事の記録としても貴重であるが、心を許した著者に対し、実にいい顔を見せてくれる匠たちの写真集としても楽しめる。

画像:日本の近代土木遺産 現存する重要な土木構造物2000選

日本の近代土木遺産
          現存する重要な土木構造物2000選

土木学会土木史研究委員会/編 土木学会 2001

橋やトンネル、ダム、堤防など、私たちの生活に欠かせない建築物を「土木構造物」と言う。慶応元年から昭和20年までの80年間に造られ現存する、2,000に上る土木構造物を調査した一覧である。全国で刊行されている報告書を基にしており、膨大なリストである。名前を知っている橋があれば探してみるといい。戦前までに造られたものなら載っているだろう。建物や文化財だけが近代化遺産ではないのだ。1、2行の限られたスペースに特徴が記されている。専門的な表現もあれば意外な情報を見ることもできる。

画像:駅再生 スペースデザインの可能性

駅再生 スペースデザインの可能性

鹿島出版会/編 鹿島出版会 2002

日本には、私鉄やモノレールなども合わせると、約1万の駅が存在する。ひとくちに駅といってもその規模や形態は様々である。近年のリノベーション、あるいは周辺地域の再開発などによって付加価値が高まり、複合施設としての側面が打ち出されることも多くなってきた。もちろん駅本来の機能性や利便性も日々進化し続けており、たとえばバリアフリーの向上やユニバーサルデザインの実現に向けたシステムの構築など、興味深い試みがなされている。駅という空間の理解が深まる一冊。

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