浦安市立図書館

沢木耕太郎

1947年東京都生れ 横浜国立大学卒。
フリーのルポライターとして活動を始め、1970年、自衛隊員を取材した『防人のブルース』で作家としてデビュー。ユーラシア大陸を放浪した旅行記『深夜特急』(1986年刊行)は、多くの若者に影響を与えている。主にスポーツ、旅などをテーマにしたノンフィクションを数多く発表している。それらの作品は「自分の見たもの以外は一切書かない」というジャーナリズムの姿勢を貫いている。

 2002年 図書館講演会  「旅の不思議」

『一瞬の夏』

沢木耕太郎/著 新潮社

1979年の夏、著者は、元東洋ミドル級チャンピオンの混血のボクサー「カシアス内藤」が復帰することを知る。モハメド・アリの本名カシアス・クレイにあやかってリングネームをつけられた内藤。才能はあるのに中途半端な試合しかしない内藤に不思議な魅力を感じ、追っていた著者は、4年前彼が惨敗しリングを去る姿を見ていた。もう一度共に夢を追うため、著者は内藤と再会をする。再起にかけるボクサーと、彼をとりまく男たちの熱き物語。第一回新田次郎文学賞受賞作。

画像:一瞬の夏

『深夜特急』(第1便・第2便・第3便)

沢木耕太郎/著 新潮社

1973年、26歳の筆者は思い立ったように突然『インドのデリーからイギリスのロンドンまで乗合バスでゆく』旅に出る。香港からはじまりデリーを経てユーラシアの果てポルトガルのサグレスまで行き、フランスへ戻りロンドンへ、という2万キロを超える陸路伝いの放浪は約1年2ヵ月にも及ぶ。 ガイドブックは持たず地図は現地調達、安宿を探し、心の赴くままその地を巡り、その地の人々と交流し、その地のものを食べる。自由で危険で魅力的な旅の方法は多くの若者の心をとらえた。

画像:深夜特急

『無名』

沢木耕太郎/著 幻冬舎

脳出血のため入院した89歳の父の介護をする中で、著者は父が俳句を作っていたことを知り、私家版の句集を出そうと思い立つ。一合の酒と一冊の本があれば幸せだった父。その膨大な知識量に畏怖の念を抱いていた著者。「無名」に徹した父の生涯と、自分との関わりについて、自らの記憶を掘り起こし、父の言葉をつむぎながら綴る。ノンフィクションライターとして名を馳せている著者が、父の影響を色濃く受けていることがうかがい知れる1冊である。

画像:無名

『凍』

沢木耕太郎/著 新潮社

 山野井泰史は、8,000mを越える高峰にも酸素ボンベを使わず、できるだけ少ない装備で単独登山を目指す日本を代表するソロ・クライマーである。これまで、どんな登攀にもスポンサーをつけず、自ら作った資金で山登りを続けてきた。  本書は山野井泰史とその妻妙子が挑んだ、ヒマラヤ山脈のギャチュンカン峰(7,985m)登頂記である。悪天候の中、泰史一人が登頂を果たすが、帰路に二人は遭難する。氷点下40度にもなる孤立無援の絶壁での雪崩、墜落、凍傷など、さまざまな困難から奇跡の生還にいたる壮絶な記録は読む者を圧倒する。

画像:凍

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